サーフブンガク鎌倉アニメ

趣味のこと書きます。ヤマノススメで登られた⛰の全制覇を目指したり、🏍で旅したり、🏕したり、アニメの感想書いたり

ヤマノススメ登山記録9 - 唐松岳

いんふぉめーしょん

概要

唐松岳北アルプスの標高2696mの山。白馬岳と五竜岳の間に存在する。スキーで有名な白馬八方尾根スキー場はこの山の尾根に位置していて、唐松岳に登る際はこのスキー場のゴンドラやリフトに乗って途中まで上がっていくことができる。ヤマノス原作ではお嬢、楓さん、ほのかちゃんといった、なんか一風変わったパーティで登っていたが、強風に敗北し、山小屋内で天候の様子を見ている間に時間がなくなって撤退していた。

今回は一泊二日でルートを八方尾根と唐松岳山頂のピストンとして、小屋泊はせず唐松岳の頂上付近にある唐松山荘でテント泊をする計画で登った。登る前はこの山のことを結構舐めてたんだけど、厳冬期の北アルプスはバカにしない方がいいっていうのを実感させられた。

ヤマノスのエピソードはしろ先生の実体験をもとにしたらしいけど、わたしもまさに強風に打ち負かされて撤退せざるを得なくなったし、あとやっすいテントで泊まったらテント内に雪が侵入してきたりしてほんのり死ぬかと思った。

記録

1日目 - 白馬八方尾根スキー場

スタート地点は白馬八方尾根スキー場の麓から。リフトとゴンドラの往復のチケットを買い、登山届の提出(絶対提出しないといけないっぽい)して、ゴンドラ&リフトで一気に1830mまで上がる。

リフトの終点まで来るとこんな感じの張り紙がしてあって、ここから先が登山道となる。

しかしながら、いやいや見るからに登山の格好してない人たちがたくさん登山道の方に歩いていくじゃあないかと

彼らは山スキー勢で、スキー場の枠を超えて山の斜面を滑走したい野郎どもだ。自分は山スキーやったことないのでなんとも言えないのだけど、八方尾根のこの辺って結構人気のスポットなのかな?

八方尾根山荘〜

八方尾根山荘っていうのはリフトの終点からちょっと登ったとこにある山荘で、ヤマノスでお嬢たちが泊まったところなんだけど、丁度ガスってる時にそのあたりを通ったので見つけられなかった。

しばらく歩いてるとケルンが見えてきた。この雪以外何もない道で目印があるとすごい安心感あるよね。

さらに先へ進むと空がだんだん晴れていって、めっちゃいい天気になってきた☀️

いやぁモチベ高まるねぃ

八方池辺りかな、途中から雪に埋もれた森を通るんだけど、この辺から斜度がきつい道がちょこちょこ登場する。

アイゼン、わかん、ピッケル、ゲイター等々、雪山の装備は一通り持ってきていたので、急登でもわりかし危ない場面に遭遇することなく登ることができた。特にピッケルの力は偉大。

ヤマノスで小春部長が「ここまでなら行けるんじゃないかな」と言っていた丸山までの登りは一番険しく、足はズボズボ雪の中に沈むし、くっそ体力使った。

で、なんとか丸山に到着した。

ちょっと死ぬかと思ったテント泊

本来の予定では唐松山荘でテントを張る予定だったが、思ったより時間をかけてしまって、暗くなる前にそこまで辿り着けそうになかった。というわけで八方尾根のなんもないただの道でテントを張ってしまった。

テント内で晩御飯を食べている間はほぼほぼ無風で、今日はぐっすり寝て明日ピーク踏んで帰ろう〜♪ってるんるん気分でいた。

ところがどっこい、夜の9時くらいかな?突然テントがババババババって音を立て初めた。吹雪いてきちゃったのよね。風でテントが揺れるのは結構気になる派なので、耳栓をしてシュラフにもぐった。

で、23時くらいに一瞬目が覚め異変に気づく

わたしの使ってるテントは屋根のところに空気穴が空いているんだけど、そこから粉雪がめっちゃ侵入してきてたんだよね。シュラフに潜ってたから全然気づかなかったんだけど、知らない間に自分が寝ているシュラフや、片付けないでテント内のあちこちに置いていた物に雪が付着していて今年一番血の気が引いた。

とりあえずこのままではやばそうだったので、絆創膏をテープ代わりにしてビニール袋を貼り、空気穴の8割くらいを塞ぐという応急処置を施した。

シュラフに水が浸透したらどうしよう...カメラの機材が壊れてたらどうしよう...ていうか明日自分が雪に埋まってたらどうしよう...とか色々な不安を抱えてガタガタ震えてたらいつの間にか気を失って翌朝になっていた。

2日目 - 八方尾根の朝

さて、テント内はどうなっていたかというと、こんな感じになっていた。

吹雪は寝てる間に収まっていたのでテント内は大して積もらなかったが、テントの周辺がかなり積もっちゃっててすごい壁の布が圧迫されていた。マジで壁が破れたらシャレにならんと思いつつ、朝日の写真を撮りにテントの外に出た。

クッッッッッッッソ風強いしクッッッッッッッッッッソ寒くて指が軽く凍傷しかけたんだけど、極限の場所で見る朝日は間違いなく今まで見た中で一番綺麗だった。周りの山々のモルゲンロートも最高。本当に来てよかったと思った。

だって地球は宝箱

下山

予定では二日目に唐松岳山頂まで行くつもりだったが、風がめっちゃ強くてとても行けそうにない感じだった。何人もの登山者が山頂の方に向かって歩いて行ったが、途中にある小ピークから一気に風速が上がってやべぇとのことで皆引き返して来た。わたしも山頂まで行くことは諦めて、風が弱まる一瞬の隙を狙ってテントの撤収作業をして帰ることにした。

この日は夕方になると天候が悪くなるという話を耳にしたので、ちょっぴり焦りながら下っていった。丸山のところの下りはかなり急でちょっとびっくりしちゃったけど、吹雪によって新雪でふわふわ状態だったので、滑り落ちて止まらねーーーーーということはなかった。

ある程度下って来たところで鍋を作ろうとした。実は今回の山登りではまともな山ごはんを作るために、メニューをそこそこ考えてスーパーで色々食材を買ってきてたんですよ。でもテントで泊まった場所はあまりにも寒すぎて料理なんか作る気起きなかったわけ。寒いと人間何もかもが億劫になるんだよ。

で、勿体無いから風や寒さが多少マシな所で食材を消費することにした。

しかしながら、肉は凍って剥がれないし、バーナーの火力足らずで全然お湯が沸騰しないし、途中から風が強くなってきて死ぬほど寒いし、マジでクソでした。雪山で料理なんか作ろうとするもんじゃないよほんと🍲

一応できた白菜と豚バラを適当にぶちこんだ鍋(当初の目的では生姜なども使ってちゃんとミルフィーユ鍋を作るつもりだった)を食し、もうちょっとで最終になりそうだったリフトにギリギリで乗って、無事下山することができた。

いや、しんどかったけど、”生”を実感できてかなり充実した山行だった。

日頃アニメの女の子が酷い目にあうシーンでニコニコしてるんだから、たまには自分も酷い目にあっとかないとね

追記

この記録を書いてから約一年後になるが、夏期になんとか唐松岳登頂を果たすことができた。

ついでに五竜岳への縦走をしたかったが、ただこの時も強風+雨で天候がよろしくなく断念した。まぁ、登頂はできたのでヨシ!